Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

カインのまつえい

カインの末裔 クララの出家

有島 武郎

Lesen Sie カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.864 Zeichen · 93 Bildschirme

Aozora Bunko

彼れは場主と一喧嘩して笠井の仕遂せなかった小作料の軽減を実行させ、自分も農場にいつづき、小作者の感情をも柔らげて少しは自分を居心地よくしようと思ったのだ。彼れは汽車の中で自分のいい分を十分に考えようとした。しかし列車の中の沢山の人の顔はもう彼れの心を不安にした。彼れは敵意をふくんだ眼で一人一人睨めつけた。

函館の停車場に着くと彼はもうその建物の宏大もないのに胆をつぶしてしまった。不恰好な二階建ての板家に過ぎないのだけれども、その一本の柱にも彼れは驚くべき費用を想像した。彼れはまた雪のかきのけてある広い往来を見て驚いた。しかし彼れの誇りはそんな事に敗けてはいまいとした。動ともするとおびえて胸の中ですくみそうになる心を励まし励まし彼れは巨人のように威丈高にのそりのそりと道を歩いた。人々は振返って自然から今切り取ったばかりのようなこの男を見送った。

やがて彼れは松川の屋敷に這入って行った。農場の事務所から想像していたのとは話にならないほどちがった宏大な邸宅だった。敷台を上る時に、彼れはつまごを脱いでから、我れにもなく手拭を腰から抜いて足の裏を綺麗に押拭った。