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Japanische Klassiker mit Furigana

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カインのまつえい

カインの末裔 クララの出家

有島 武郎

Lesen Sie カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.864 Zeichen · 93 Bildschirme

Aozora Bunko

そしてよろけるような足どりで、見えないものに引ずられながら、堂母の広場の方に近づいて来た。それを見つけると、引返して来た青年たちは一度にときをつくって駈けよりざまにフランシスを取かこんだ。「フランシス」「若い騎士」などとその肩まで揺って呼びかけても、フランシスは恐しげな夢からさめる様子はなかった。青年たちはそのていたらくにまたどっと高笑いをした。「新妻の事でも想像して魂がもぬけたな」一人がフランシスの耳に口をよせて叫んだ。フランシスはついた狐が落ちたようにきょとんとして、石畳から眼をはなして、自分を囲むいくつかの酒にほてった若い笑顔を苦々しげに見廻わした。クララは即興詩でも聞くように興味を催おして、窓から上体を乗出しながらそれに眺め入った。フランシスはやがて自分の纏ったマントや手に持つ笏に気がつくと、甫めて今まで耽っていた歓楽の想出の糸口が見つかったように苦笑いをした。

「よく飲んで騒いだもんだ。そうだ、私は新妻の事を考えている。しかし私が貰おうとする妻は君らには想像も出来ないほど美しい、富裕な、純潔な少女なんだ」

そういって彼れは笏を上げて青年たちに一足先きに行けと眼で合図した。