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Japanische Klassiker mit Furigana

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カインのまつえい

カインの末裔 クララの出家

有島 武郎

Lesen Sie カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.864 Zeichen · 93 Bildschirme

Aozora Bunko

クララはただ黙ったままで坐っていた。

「神の処女」

フランシスはやがて厳かにこういった。クララは眼を外にうつすことが出来なかった。

「あなたの懺悔は神に達した。神は嘉し給うた。アーメン」

クララはこの上控えてはいられなかった。椅子からすべり下りると敷石の上に身を投げ出して、思い存分泣いた。その小さい心臓は無上の歓喜のために破れようとした。思わず身をすり寄せて、素足のままのフランシスの爪先きに手を触れると、フランシスは静かに足を引きすざらせながら、いたわるように祝福するように、彼女の頭に軽く手を置いて間遠につぶやき始めた。小雨の雨垂れのようにその言葉は、清く、小さく鋭く、クララの心をうった。

「何よりもいい事は心の清く貧しい事だ」

独語のようなささやきがこう聞こえた。そして暫らく沈黙が続いた。

「人々は今のままで満足だと思っている。私にはそうは思えない。あなたもそうは思わない。神はそれをよしと見給うだろう。兄弟の日、姉妹の月は輝くのに、人は輝く喜びを忘れている。雲雀は歌うのに人は歌わない。木は跳るのに人は跳らない。淋しい世の中だ」

また沈黙。

「沈黙は貧しさほどに美しく尊い。