Japanische Klassiker mit Furigana
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カインのまつえい
カインの末裔 クララの出家
有島 武郎
Lesen Sie カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.864 Zeichen · 93 Bildschirme
神聖月曜日にも聖ルフィノ寺院で式があるから、昨日のものとは違った服装をさせようという母の心尽しがすぐ知れた。クララは嬉しく有難く思いながらそれを着た。そして着ながらもしこれが両親の許しを得た結婚であったならばと思った。父は恐らくあすこの椅子にかけて微笑しながら自分を見守るだろう。母と女中とは前に立ち後ろに立ちして化粧を手伝う事だろう。そう思いながらクララは音を立てないように用心して、かけにくい背中のボタンをかけたりした。そしていつもの習慣通りに小箪笥の引出しから頸飾と指輪との入れてある小箱を取出したが、それはこの際になって何んの用もないものだと気が付いた。クララはふとその宝玉に未練を覚えた。その一つ一つにはそれぞれの思出がつきまつわっていた。クララは小箱の蓋に軽い接吻を与えて元の通りにしまいこんだ。淋しい花嫁の身じたくは静かな夜の中に淋しく終った。その中に心は段々落着いて力を得て行った。こんなに泣かれてはいよいよ家を逃れ出る時にはどうしたらいいだろうと思った床の中の心配は無用になった。沈んではいるがしゃんと張切った心持ちになって、クララは部屋の隅の聖像の前に跪いて燭火を捧げた。