Japanische Klassiker mit Furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Lesen Sie ガラマサどん von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.079 Zeichen · 202 Bildschirme
あゝ/\、あゝあ」
「あゝあ」
と松本さんも欠伸をして、
「感染しますな、欠伸は」
と隣りの中島さんの所為にした。
中島さんは真中に乗っていた。
「もう一段語られたら逆せ上ってしまう」
「真正面だから敵いません」
「あゝあ、実際草臥れた」
「しかし中島さん、一段拝聴させて戴けませんかなんて、御所望をなすったのは一体何誰でしたか?」
「何だって?」
「御所望をなすった張本人ですよ」
「冗談言っちゃいけないよ」
「はあ?」
「君は一体誰の為めに僕が出て来たと思っているんだ?」
と中島さんは憤ってしまった。
「恐れ入りました」
「赤石さんから一時間以上骨董の講釈を聴かされた上に、又一時間半だぜ」
「はあ」
「瞬きをするの何のって叱られてさ」
「申訳ございません」
「少しは察してくれなければ困るよ。何も酔狂で所望したんじゃないんだから」
「全くお蔭さまです。飛んだ失礼を申上げました」
と松本さんはあやまる外なかった。
「何れ改めてお礼に伺います。お蔭さまで危いところを助かりました」
と私も言葉を添えた。喉元過ぎて熱さを忘れる。夕刻中島さんの家を出る時は悄げ返っていたけれど、無事に首が繋がると共に、もう好い気になって、お礼さえ碌々言わなかったのである。