Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.767 Zeichen · 54 Bildschirme
どんな残忍なことでも平気でやってのけそうな酷薄な眼つきをしていた。
四人の山売は、けわしい眼つきでキャラコさんの顔をながめていたが、そのうちに、きわだって背の高い、冷やかな顔つきをしたひとりが、三人のほうへ振りかえって、ささやくような声で、いった。
「なにをいってるんだ、こいつ」
小さな、円い眼をした貧相な男が、無感動な声で、こたえた。
「おし退けたのが、気にいらなかったのだろう」
いちばんうしろにいた、牛のようなどっしりと頑丈な男は、
「妙なやつ」
と、吐きだすようにいうと、小山のような背嚢をゆすりあげてサッサと歩きだした。
キャラコさんは、うまく追いつけたのでうれしくてたまらない。そうするのが当然だというふうに、いかにも自然なようすで四人の山売のうしろにくっついて歩きながら、愛想よく言葉をかける。
「これから、どこへいらっしゃるの?」
だれも返事をしない。みな、ひどく肚を立てているような不機嫌なようすをしている。
キャラコさんは、じぶんのいったことが聞えなかったのだろうとおもって、いちばんうしろからゆく、瘠せた、細面の、どこかキリストに似たおもざしの頤髯の男に、もう一度たずねてみる。