Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.972 Zeichen · 66 Bildschirme
そんなんじゃないんだ。お前のことなんぞ、馬の尻尾だとも思っちゃいないんだ。……憎いのは、キャラコさんばかりじゃない。みんな、みんな、みんな、世界中の一人残らずが、みんな憎らしいんだ! どいつでもこいつでも、死ぬほど撲ってやりたい。……ぶってやる! ぶってやる!」
……いままで炎をあげていたレエヌさんの眼の中が、急に白くなったと思うと、のろのろと瞼を垂れ、くずれるように甲板に倒れて気を失ってしまった。
キャラコさんは、寝苦しい夜をあかした。夜あけごろ、半睡のぼんやりした夢の中で、レエヌさんにとった自分の態度を、後悔したり、肯定したり、組んずほぐれつという工合にこねかえしていたが、あんな不当には負けていないほうが本当だという結論がついて、安心してぐっすりと眠ってしまった。
眼をさましたときは、もう八時半だった。あわてて飛び起きて身じまいをすると、電話で、イヴォンヌさんに宣言した。
「あたし、きょう、快遊船を降りるのよ。あなた、あたしのお伴なんだから、あなたも、まごまごしないで支度をなさい」
イヴォンヌさんが、電話の向うで、たまげたような声を、だす。
「降りるんですって? でも、あたし、まだねむっているのよ」