Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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キャラコさん

キャラコさん

久生 十蘭

Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.277 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

「もし、長人参だったら、どうでしょう」

「いやはや、それは……」

「やはり、喰べませんかしら」

「傲ったことをもうすようですが、こいつの口は、あげな棒っ切れのようなものを食べるようには、できておらんのでござります」

「無理に口へ押しつけたら?」

「ああはや、飛んでもない! そのようなことをして、こやつに、フウッと太い鼻息でもひっかけられなんだら、そのひとのしあわせというものでござります」

「……でもね、おじいさん。……あたしたちなら、ひとの親切を感じたら、どうしても嫌いでないかぎり、我慢して食べるようなことだってしますわね」

老人は、重々しく首を振って、

「いやはや、こやつでは、とてもそういう都合にはゆきますまいて……。鼻の先へおしつけられさえすれば、見さかいもなく、なんにでもむしゃぶりつくような馬とは、育ちがちがうのでござります。……見てもくださいませ。……あの上品らしい口が、ブランと長人参をくわえるありさまなどは、考えるだも、身の毛がよだつような思いがするのでござります」

キャラコさんが、ねじのゆるんだような声を、だす。

「なんという気品の高い馬さんなんでしょう。