Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

キュリーふじん

キュリー夫人

宮本 百合子

Lesen Sie キュリー夫人 (キュリーふじん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.121 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

そういう時、彼女の心を温める一人の兵士の俤と一人の看護婦の思い出とがあった。それはベルギーのアルベール皇帝とエリザベート皇后とであった。この活動の間にマリアは多くの危険にさらされ、一九一五年の四月のある晩は、病院からの帰り、自動車が溝に落ちて顛覆して負傷したこともあった。が、娘たちがそのことを知ったのは再び彼女が出発した後、偶然化粧室で血のついた下着を見つけ、同時に新聞がそのことを報道したからであった。彼女は昔からそうであったように、自分の身について起るかも知れない危険とか激しい疲労とか、その躯におよぼしているラジウムのおそろしい影響とかについて一言も口に出さなかった。

マリア・キュリーをこの様な活動に立たせた力は何であったろう。日夜の過労の間に彼女の精神と肉体を支えている力は何であったろう。それは決して狭い愛国心とか敵愾心とかいうものではなかった。科学者としての自分の任務を、がらんとした研究所の机の前で自分に問うた時マリアの心に浮かんだものは、十年ばかり前のある日曜日の朝の光景ではなかったろうか。それはケレルマン通の家で、一通の開かれた手紙を間に置いて坐っているピエールとマリアの姿である。