Japanische Klassiker mit Furigana
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あさ
グッド・バイ
Lesen Sie グッド・バイ (あさ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.572 Zeichen · 45 Bildschirme
中学時代の夏冬の休暇には、自分の生家でごろごろしていて、兄たちの蔵書を手当り次第読みちらし、どこへ旅行しようともしなかったし、また高等学校時代の休暇には、東京にいる彫刻家の、兄のところへ遊びに行き、ほとんど生家に帰らず、東京の大学へはいるようになったら、もうそれっきり、十数年間帰郷しなかったのであるから、津軽という国に就いてはまるで知らないと言ってよかった。私はゲートルを着け、生れてはじめて津軽の国の隅々まで歩きまわってみた。蟹田から青森まで、小さい蒸気船の屋根の上に、みすぼらしい服装で仰向に寝ころがり、小雨が降って来て濡れてもじっとしていて、蟹田の土産の蟹の脚をポリポリかじりながら、暗鬱な低い空を見上げていた時の、淋しさなどは忘れ難い。結局、私がこの旅行で見つけたものは「津軽のつたなさ」というものであった。拙劣さである。不器用さである。文化の表現方法の無い戸惑いである。私はまた、自身にもそれを感じた。けれども同時に私は、それに健康を感じた。ここから、何かしら全然あたらしい文化(私は、文化という言葉に、ぞっとする。むかしは文花と書いたようである)そんなものが、生れるのではなかろうか。