Japanische Klassiker mit Furigana
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グッド・バイ
グッド・バイ
Lesen Sie グッド・バイ von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.818 Zeichen · 30 Bildschirme
」
「そこなんです。」
ハンケチで顔を拭く。
「泣いてるんじゃねえだろうな。」
「いいえ、雨で眼鏡の玉が曇って、……」
「いや、その声は泣いてる声だ。とんだ色男さ。」
闇商売の手伝いをして、道徳的も無いものだが、その文士の指摘したように、田島という男は、多情のくせに、また女にへんに律儀な一面も持っていて、女たちは、それ故、少しも心配せずに田島に深くたよっているらしい様子。
「何か、いい工夫が無いものでしょうか。」
「無いね。お前が五、六年、外国にでも行って来たらいいだろうが、しかし、いまは簡単に洋行なんか出来ない。いっそ、その女たちを全部、一室に呼び集め、蛍の光でも歌わせて、いや、仰げば尊し、のほうがいいかな、お前が一人々々に卒業証書を授与してね、それからお前は、発狂の真似をして、まっぱだかで表に飛び出し、逃げる。これなら、たしかだ。女たちも、さすがに呆れて、あきらめるだろうさ。」
まるで相談にも何もならぬ。
「失礼します。僕は、あの、ここから電車で、……」
「まあ、いいじゃないか。つぎの停留場まで歩こう。何せ、これは、お前にとって重大問題だろうからな。二人で、対策を研究してみようじゃないか。