Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
グースベリーのうれるころ
グースベリーの熟れる頃
宮本 百合子
Lesen Sie グースベリーの熟れる頃 (グースベリーのうれるころ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.041 Zeichen · 12 Bildschirme
サーッと潮の寄せて来た時に仙二は頭があつくなった。いつもの通り桑の木影に前にもまして体をすくめて耳と目は三人分のを集めたほどさとく働いた。
娘達は仙二のかくれて居る桑の木から二三間左の細道を歩いてきた。
まっすぐな光りをうけてうす赤く娘の顔はのぼせて素に着た海の色の着物から頸がぬけた様に白く赤い帯は下の方で二つのみみをたらして結んであった。
いつもの通り名も分らない髪に結って白い籐のかごの中にしたたりそうな葡萄の房の大きいのをいっぱい入れて腕にひっかけて居た。
女中と笑うたんびにかなりそろった前歯がひかった。
仙二は娘の姿がかなり遠くなり高い声がごく極くなめらかに聞える様になってから立ちあがって、見えもしない雪踏のあとをたどる様にして家にかえった。
大切なものの番をして居る様に仙二はそれっきり他所に出なかった。
そうしたまんま仙二の目先に、はかないまぼろしの見えるまんまに日が立って行った。
絶えずチラツク若い心には魅力のあるまぼろしに、一日のうちに泣いたり眼には涙をためながらも微笑まされたりしなければならなかった。
辛い嬉しさは仙二の感情の全部であった。