Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゴールデン・バットじけん
ゴールデン・バット事件
海野 十三
Lesen Sie ゴールデン・バット事件 (ゴールデン・バットじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.946 Zeichen · 46 Bildschirme
その君江なる女がまた愉快な女で、金の女房然としているかと思えば、身体に暇があると、誰彼なしに愛嬌をふりまいたり、情けを尽したりした。だから君江という女は、金とは又別な意味で、客たちの人気を博していた。
しかし満れば虧くるの比喩に洩れず、先頃から君江の相貌がすこし変ってきた。金青年に喰ってかかるような狂態さえ、人目についてきた。それでいて、結局最後に君江は金の機嫌を取り結ぶ――というよりも哀訴することになるのだった。
これに反して金青年の機嫌は、前から見ると少し宛よくなって来たようであった。それは、これまで煙草を欲しがらなかったチェリーが、彼の訓練によって煙草を喫いはじめたからである。
「煙草って、仁丹みたいなものネ」
とチェリーは云った。
「煙草は仁丹みたいなものは、よかったネ」
と金は笑った。女達も釣りこまれてハアハア笑いだしたが、君江だけがどうしたものか、ツと席を立って調理部屋の方へ姿を消したっきり、いつまで経っても出てこなかった。
――そのようなカフェ・ゴールデン・バットの帝王の如き人気者が、見るもむごたらしい兇行を受けたものだから、私は非常に駭きもしたし、一体誰にやられたのかと、普段から知っている誰彼の顔をあれやこれやと思い巡らした。