Japanische Klassiker mit Furigana
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ゴールデン・バットじけん
ゴールデン・バット事件
海野 十三
Lesen Sie ゴールデン・バット事件 (ゴールデン・バットじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.946 Zeichen · 46 Bildschirme
「ギャーッ」
たしかギャーッと耳の底に響いたのだが、頭の上に、ひどい悲鳴を聞きつけた。何というか極度の恐怖に襲われたものに違いない叫び声だった。男か女か、それさえ判断しかねるほど、人間ばなれのした声だった。
「ほッ、この家だッ」
と帆村は大地に両足を踏んばり、洋杖をあげてアパートの三四階あたりを指した。ビールの満をひいて顔をテラテラ光らせていたモダンボーイの帆村とは異り、もうすっかりシェファードのように敏感な帆村探偵になりきっていた。
「どこから行く、道は?」私も咄嗟にもう突っこんでゆく決心をした。
「裏口へ廻って呉れッ。明いてたら、しっかりせにゃ駄目だぞ」
「君は?」
「表から飛びこむッ。急いで――」
帆村が腰を一とひねりして、尻の隠袋から拳銃を取出しながら、早や身体を玄関の扉にぶっつけてゆくのを見た。こっちも負けずに、狭い家と家との間に飛び込んだ。飛びこんだはいいが、溝板がガタガタと鳴るのに面喰らった。
露地内の一つ角を曲ると、アパートの裏口に出た。頑丈な鉄棒つきの硝子扉が嵌っていた。そのハンドルに手をかけようとしたとき、なんだか前方の溝板の上をサッと飛び越えていった者があるように感じた。