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Japanische Klassiker mit Furigana

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ジャングルあたま

ジャングル頭

豊島 与志雄

Lesen Sie ジャングル頭 (ジャングルあたま) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.465 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女等は、自分の立姿を鏡に写して見たことがあるであろうか。鏡で見るのは、恐らく、顔とか髪とか襟元とか、部分的なものばかりであろう。もし立姿全体を、鏡で見るとか、或るいは障子に写った影絵で見るならば、そのお化け然たる恰好に、自分でもぞっとすることだろう。知らぬが幸だ。

これは、然し、外観だけのことである。そのジャングルを押し分け、頭脳の内部にまでふみ込んでみるならば、そこも、恐らくはひどいジャングルであろう。情意の涸渇、志操の頽廃、傲慢な功利主義と享楽主義。毒気ばかりが立ちこめて、清純な花の咲く余地はあるまい。

例えて言おう。晩春初夏の後楽園野球場には、しばしば、可憐な紋白蝶が一匹或るいは二匹、ひらひらと飛んでいる。砂地の上や青い芝生の上を、地面低く飛んでいる。観客で埋まったスタンドで四方を囲まれ、走り廻る選手や飛び交うボールの間をぬって、無心そうにひらひらと飛んでいる。その小さな白い蝶はいったい、どこから来たのであろうか、どこへ行くつもりなのであろうか、夜はどこで眠るのであろうかと、一片の感傷を持てというのではないが、ボールの行方を見守る合間に、蝶の姿にも少しく眼をやるだけの心情を持つ女性ファンがあったならばそのひとに敬意を表したいのである。