Japanische Klassiker mit Furigana
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ジロリのおんな
ジロリの女
Lesen Sie ジロリの女 (ジロリのおんな) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.597 Zeichen · 102 Bildschirme
だから、そのうちには、昼さがりチャブダイにもたれて雑誌かなにか読んでいるうちに、ふと私の方へ白い脚を投げだして、
「蒸しタオルで足をふいてちょうだい」
イサイ承知と、さてこそ私はマゴコロこめて、毛孔ひとつおろそかにせず、なめらかに、やわらかく、拭いては程よく蒸し直し、それに心根さゝげる。まさしく魂こめるのである。
夏は冷めたいタオルで、膝小僧のあたりまで、ふく。私は然し劣情をころし、そういう時には、決して、狎れず、ただ忠僕の誠意のみをヒレキする。
然しそれは恋愛の技法上から体得したことではなくて、処世上、おのずから編みだしたことで、なぜなら私は金龍によって、金銭上の恩恵を蒙っており、金持ちの客に渡りをつけて、それからそれへ儲けの口を与えてくれるからであった。だから私は金銭上の奴隷として女王に仕えつゝあるうちに、おのずから恋愛の技法を発見するに至ったのであった。
私は一夜、お客をふって中ッ腹でもどってきた金龍の情けをうけて、夢の一夜を経験した。それは金龍に奉仕して四年目、私が二十八、金龍は二十七であった。
そして、奴隷、間夫という関係は、私が三十七の年まで、戦争で金龍が旦那と疎開するまで、つゞき、そして金龍は旦那と結婚して田舎へ落ちついて、もとより私のことなどは、忘れてしまった。