Japanische Klassiker mit Furigana
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ズラかったしんきち
ズラかった信吉
宮本 百合子
Lesen Sie ズラかった信吉 (ズラかったしんきち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.656 Zeichen · 110 Bildschirme
――ははん。資本家だナ。こいつが一九一三年に原料と機械に三十八億四千万ルーブリ出した。
盛に働いてるなあ労働者二百五十万人か。そして三十八億なにがしから、五十六億二千万ルーブリ稼いだ。儲がつまり十七億八千万ルーブリ! でけえもんだなあ。
そこでと、何だって? 労働者の賃銀はそのでけえ儲の中から八億二千万ルーブリ? あと九億六千万ルーブリってものは誰が分けて奪っちまうんだ。筆頭が企業家=資本家だね。なるほど。そいから実業家、政府の役人、地主。――ふうむ。奴等のおこぼれで食ってるのは何だ?
「これが宗教家さ、次が淫売婦、ペンがついてるのが御用学者に新聞雑誌記者、政治家、役者だ」
この時計は何だね。労働者が資本家に稼ぎ出してやった十七億八千万ルーブリを、労働時間に換算して見た図だ。
これだけの金は、一人の労働者が一日十一時間ずつ働き通して、年六百六十ルーブリ稼いだことになる。しかし、本当に労働者が貰う賃銀は全体で八億なんぼで、それを一人宛の労働時間に割ると、たった五時間分だ。後の六時間というものを、そっくり資本家の腹をこやすために労働者が搾られているわけなんだ。