Japanische Klassiker mit Furigana
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ズラかったしんきち
ズラかった信吉
宮本 百合子
Lesen Sie ズラかった信吉 (ズラかったしんきち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.656 Zeichen · 110 Bildschirme
すると、その中のニーナという女が、やっとロシア語の少しわかるその外国人をつらまえて、お前さん方、私共ソヴェトで社会主義がどんなにうまく行ってるか見に来たんだろ? サア、よく見て行っておくれ、私共が何を食って五ヵ年計画のために働いてるか。私達は餓えてるんだ! と喚き出した。
「工場委員会の文化宣伝部員の女が案内していたんだそうだ。ひどく泡くって、ニーナに怒りつけ、外国人を急いでそこから連れてっちまったんだとよ」
ボイラーの下へ片肘ついて横んなりながら草をひきぬいて噛んでた赫毛のボリスが、軋んだような声で呻った。
「――何だってまた、大衆の口へフタをしたんだね? そのスカート穿いた工場委員は?」
「判りきってるヨ。だって、そりゃ……判りきってる!」
ボイラーに腰かけ足をブラくってるちびのアーニャがせき込んだ。
「外国人て、どうせブルジュアか社会民主主義者じゃないか、恥だわ。階級の敵だよそんな女!」
「――奴等あ、それに、とても素敵な写真機械をもってるんだ。歩きながら写しちまうんだ。パチリ! すんじまう。……俺あ見たことがあるんだ」
驚歎と憎悪とを半々に浮べた眼付でノーソフが云った。