Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ズラかったしんきち
ズラかった信吉
宮本 百合子
Lesen Sie ズラかった信吉 (ズラかったしんきち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.656 Zeichen · 110 Bildschirme
「よめた? あのビラ――」
やっぱり、同じこと考えてたのか!
信吉は嬉しくなって、熱心に、
「読んだとも!」
と答えた。
「よく書けてる」
「――集会へ出るだろ?」
「出る」
「じゃいいワ。――終り!」
失敬するようにサッと片手を信吉に向って振り、オーリャはまた仕事にかかる。信吉も自分の台へ戻った。
四
「おーい、誰か鉛筆もってないか?」
幾重もの人垣の中に脚のガタついたテーブルが軋んでる。労働通信員グーロフが襟あきシャツのポケットじゅうを探りながら怒鳴ってる。
「おい、鉛筆……」
「ホラよ」
テーブルの前へ突立っていたヤーシャが、金網をかぶせた腕時計を覗いた。ちょっと爪立つような恰好でテーブルへ手をかけ、
「タワーリシチ!」
喋りはじめた。
「シッ!」
「シッ!」
「――静かにしねかってば!」
バッタン! 誰かが後で脚立をひっくりかえした。
入口からは、肩へ長い手拭いをひっかけ、その端で頸ねっこを拭きながら、まだ濡れた髪の束を額の前へたらしたのが、ゆっくり靴をひきずってやって来る。
ヤーシャは、はじめ遠くそっちの方を、だんだん、人垣の真中ごろへ目をつけながら喋り出した。