Japanische Klassiker mit Furigana
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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Lesen Sie ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) von 牧野 信一 (まきのしんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.321 Zeichen · 54 Bildschirme
」というほどの意味である。)
(註二。マイワイ。――これは豊漁の時に村中の人々に配布されるドテラ様の上着で、祝着と書いてマイワイと振り仮名すべきが適当であろう。多くは浅黄地にて裾回りに色とりどりの図案にて七福神の踊りとか唐子遊戯の図などが染出された木綿の長襦袢のようなものである。祝着というても祝祭日に着るわけでもない。村人は薄ら寒い夕べの散歩時にも、部屋着にも、四季の別ちなく自由に着用している。余談だが、僕はアメリカ人である知合の一女性と毎年クリスマス・プレゼントの慣例を持っているのだが、去年の時は所持金が皆無で当惑の余り、七郎丸から貰った新しい祝着に、貴女の国にては近頃物数奇者間にてわれらが国の労働着がハッピイ・コートとやら称ばれて用いられている由なれど、これこそわれらが海辺の村の誠のハッピイ・ガウンなれば、試みに着用して茶友達の評を仰いで見給え! などと勿体をつけて贈り、絶大な感謝を享けたことがある。)
そんな風にしていい争っていたが、七郎丸は不意に手を離してじっと息を殺したかと思うと、片手の平を耳の傍らに翳して、
「聞えるだろう!」
と力を籠めて囁いた。