Japanische Klassiker mit Furigana
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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Lesen Sie ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) von 牧野 信一 (まきのしんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.321 Zeichen · 54 Bildschirme
誰も変になんて思う人はないでしょうから、平気でそれで働きなさいよ。」
といって胸に縋りついた。
「一体、その皆なの背中の袋の内には何が入っているのさ?」
僕が訪ねると、一同は生徒のように声を揃えて答えた。
「米。」
「町へ行って、お米を買って来たのよ。」
――妻はマメイドと連れ立って酒を買いに行くことになった。
身軽だからというので二人を一緒に吊籠に載せて、僕は、鍵を外しハンドルを執った。そして、徐ろに降って行く箱の調節をとるべくハンドルを廻しながら、
「たしか昨夜も、今朝もジャガ芋ばかり喰っていたかな。――道理で胸の具合が変挺で、酒の利き目が奇天烈になったのかしら?」
などと考えた。
妻の口笛が、遠くに聞えた。
部屋のうちは明るい談笑に満ちていてどれが誰の言葉やらも区別出来なかったが、誰かが誰かを、
「スリップス・ロップ!」
と嘲笑したりしているのが、仕事中のエレベーター係りの耳に聞えた。