Japanische Klassiker mit Furigana
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チェーホフしろん
チェーホフ試論
神西 清
Lesen Sie チェーホフ試論 (チェーホフしろん) von 神西 清 (じんざいきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.618 Zeichen · 41 Bildschirme
――われわれが不朽の作家と呼ぶ人たちはそれぞれ身分相応な目標をもっていたが、われわれ(これはチェーホフの例の一般化のくせで、この場合単数にとって少くも不都合はない)にはそれがない。手近かなところで農奴制の廃止とか祖国の解放とか政治とか美とか或いは単に酒とかを目ざした作家もあり、高遠なところで神とか死後の生活とか人類の幸福とかを目ざした作家もあるが、われわれには遠いにも近いにも目あてが一切ない。魂の中はがらん洞だ。政治もない、革命も信じない、神もない幽霊も怖くない、死ぬことも目がつぶれることも怖くない。そのくせ誰かのように泥水で酔っ払うわけにも行かない。ガルシンのように階段から身投げもできない。さりとて六〇年代の連中みたいに他人のボロ布で自分の空虚を蔽って澄ましていられるほどお目出たくもない。
――生活の目的はそれ自体だなどと言うのは、飴チョコであって人生観ではない。
――連帯性なんていうことは取引所や政治や宗教事業についてならわかるが、青年文士の連帯性なんか不可能かつ不必要だ。
否定また否定、切断また切断である。その果てに現像されるのは、おそろしいほど孤独な一人の男の姿でなければならない。