Japanische Klassiker mit Furigana
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チェーホフしろん
チェーホフ試論
神西 清
Lesen Sie チェーホフ試論 (チェーホフしろん) von 神西 清 (じんざいきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.618 Zeichen · 41 Bildschirme
ここにも大きな「切断」があった。
なかでも興味のあるのはロパーヒンという人物の取扱いだ。彼は『桜の園』の農奴の小伜からのし上って、ついにこの荘園の新らしい主人に納まるのであるが、チェーホフのつもりではこれがこの「喜劇」の中心人物なのだった。チェーホフはこの役をスタニスラーフスキイに振りあてようとした。
スタニスラーフスキイは繊細味の勝ったインテリ役にしっくりする役者で、決して成り上り者に合うはずがない。ところがそのロパーヒン自身も、奇怪なことには「画家のようなしなやかな手をした、こまやかな優しい心情の持ち主」として書かれているのだ。のみならずチェーホフはダンチェンコやスタニスラーフスキイに宛てた手紙で――ロパーヒンは白チョッキに黄色い短靴、両手をふって大股に歩く、歩きながら考える、髪は短くない、したがってちょいちょい首を振りあげる、考えごとをする時は、髯を後から前へ指でしごく――とか、――彼は商人とはいえあらゆる意味で立派な人物だ、完全に礼儀正しく思慮のある人間として振舞うべきで、こせついたり小手先を弄したりしてはいけない――とか、チェーホフとしては珍らしくくどくどと註文をつけている。