Japanische Klassiker mit Furigana
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
Lesen Sie ドグラ・マグラ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 424.847 Zeichen · 824 Bildschirme
……背筋がヒヤリとすると同時に全身がゾ――ッと粟立つ……お尻がチクリとするかしないかに『アッ』と飛び上る……という、それ程左様に迅速敏活を極めているのだ。
吾々の全身の各器官を形成する三十兆の細胞の一団は、こうしてメイメイに各自専門の仕事を分担しつつ、脳髄の反射交感機能を使って、一斉に、直接に物を見て、聞いて、嗅いで、味わっているのだ。脳髄を中心として一斉に意識し、感激し、闘い、歌い、舞い、喚めき、叫んでいるのだ。
……嬉しいと食慾が進む。胃袋も一緒にハシャイでいるからだ。
……飯を喰うと、まだ消化もしないうちに元気が付く。全身の細胞が同時に満腹するからだ。
だから吾々が自分の生命、もしくは精神として意識しているものの正体は、全身無数の細胞の一粒一粒が描きあらわすところの主観客観が、脳髄の反射交感作用仲介で、タッタ一つにマン丸く重なり合ったのを、透かして覗いているだけのものだ……という事が、もはや文句なしにわかるだろう。同時に吾々が今日まで迷信させられて来た脳髄の偉大な内容は、実は全身の細胞の一粒一粒に含まれている無限の霊知霊能が、そこで反射交感されているのを錯覚していたものだ……ちょうど電話交換局が、都会を支配していると考えるように……という事実が、何のタワイもなく点頭かれるだろう。