Japanische Klassiker mit Furigana
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
Lesen Sie ドグラ・マグラ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 424.847 Zeichen · 824 Bildschirme
青澄んだ空の只中を黄色く光って行く飛行機を仰いだ……そのあとから白い輪廓ばかりの死美人の裸体像が六個ほど、行儀よく並んで辷って行くのを見た。
人の頭のように……又は眼の形……鼻の恰好……唇の姿なぞ取り取り様々の形に尾を引いて流るる白い雲……黒い雲……黄色い雲……その切れ目切れ目に薬液のように苦々しく澄み渡っている青い青い空……そんなものの下に冴えに冴え返る神経と、入り乱れて火花を散らす感情を包んだ頭の毛を、掻きり、掻き乱しつつ……時々飛び上る程の痛みを前額部に感じつつ……眩しさと砂ほこりとでチクチク痛み出した眼をコスリコスリ、どこへ行くのか自分でも判らないまま、無茶苦茶によろめいて行った。
……川……橋……鉄道……赤い鳥居……その赤い鳥居の左右に、青白い顔をして立っている正木博士と若林博士の姿……終には駆け出したくなるのを押え付け押え付けして歩いて行った。
…………何もかも真実であった……虚偽の学術研究でも、捏造の告白でもなかった。しかも、それは初めから終りまで正木博士がタッタ一人で計画して、実行して来た事ばかりであった。
……若林博士は何でもなかったのだ……。