Japanische Klassiker mit Furigana
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
Lesen Sie ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.523 Zeichen · 37 Bildschirme
この人が突然行方不明になったんですわ。おかみさんが心配して、このおかみさんの写真も出ていましたがそりゃ別嬪よ。あたし位かって、冗談いいっこなしよ。そのおかみさんが方々探しても見つからないので警察へ届けたの。そうすると何でも家出してから四、五日目におかみさん宛てに手紙が来て、余儀ない事情で二、三週間家に帰らないが、決して心配する事はない、愉快に暮らしているからって、手紙の中にはお金が入っていたのですって、警察でもうっちゃっといたらしいの。そうすると手紙通り三週間目かにブラリと元気のいい顔をして帰って来たのよ。警察でもいろいろ聞いたらしいけれども、ハッキリした事はいわなかったんですって。その時はそれでよかったんですけれども、一カ月経つとまた家出をしたの。二、三週で帰ってくると置き手紙がしてあったので、今度はおかみさんも騒がないでいると、二週間程すると今度は蒼い顔をして帰って来たんですって。三度目が大変なの、例によって二、三日留守にしたと思うと清水の爺さんの宅で切り傷を拵えて気絶していたの。その時は何でも爺さんに翻訳の頼まれものをしていたらしいのですが、その晩に強盗が入ったの、人の宅だから黙ってりゃよいのに抵抗したんでしょう。