Japanische Klassiker mit Furigana
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ニッケルのぶんちん
ニッケルの文鎮
甲賀 三郎
Lesen Sie ニッケルの文鎮 (ニッケルのぶんちん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.523 Zeichen · 37 Bildschirme
古田はドイツ語が読めます。だから彼はきっと先生のドイツ語で書かれた研究を盗み出そうという一味の一人に相違ないのです。彼は背が低い。そして何よりも動かすべからざる証拠はここに挟んである紙片です。彼は多くの本を調べて行くのにマゴつかないように、すんだ分には小さい紙片を挟んだのです。白紙のつもりであったのが、彼の翻訳の原稿の書き損ないでも入っていたと見えて、この反故に彼の手蹟があります。私は実は古田にドイツ語を習った事があるので、彼の手蹟はよく知っています』
歯切れのいい口調で、まるで朗読しているような朗らかな声で堂々というのでしょう。あたしすっかり聞き惚れちゃったわ。外の人もみんなそうだったの。ところがね。下村さんだけがね。この人はさっきから腕組みして考え込んでいたのですが、この時ちょっと内野さんの喋っている顔を見てニヤニヤと笑ったわ。でもすぐ元の顔になったから、気がついたのはきっとあたしだけだったでしょう。
検事さんも、古田の事は知っていたと見えて、内野さんの渡した紙片を見ると、すぐ古田を捕まえに刑事をやったわ。清水の爺は相変わらず顔をゆがめて化石したように突っ立っていたわ。