Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ノンシャランどうちゅうき
ノンシャラン道中記
久生 十蘭
Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.011 Zeichen · 23 Bildschirme
さてその翌朝、コン吉が寝床で唱歌を歌っていると、突然、赤と黄の刺繍をした上衣を着た、身長抜群のコルシカ人が一人、案内も乞わずに悠然と入って来た。漆黒の、炯々と射るような眼でコン吉を凝視ながら、
「拙者は当部落の族長でごわす。そこもと達はどういう御用件で御来村なされたか」と、荘重な口調でたずねた。
「ま、どうぞこちらへ。どうぞこちらへ」と手近な椅子に招じたうえ、この河童頭の令嬢が一念発起して画道の修業に取りかかるため来村いたしたこと、この小屋は正当な手続きを踏んで、長期の契約で周旋屋から借り入れたこと、その契約書はここにあること、このへんはたいへん景色がよく、また、空気もいいこと、そのうちに一度お挨拶にあがって、ご自慢の喉を聞かせていただきたく存じていた、……こと、れろれろと舌をもつらせながら取りとめもなくしゃべり立てると、族長は、
「どれほど御滞留になるか、それだけうかがえば結構でごわす」といい放った。タヌは進み出て、コニャックを注ぎ、腸詰、乾酪の類を持ち出してところ狭いまでに並べながら、
「まったく、一生でも住みたいくらいですよ。もう何から何まで気に入ってしまいました」