Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.520 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

モントラシェまではまだ十日の道中ですが、途中でお腹がすいたら、畑から葡萄を盗んで喰べるなり、百姓家でパンをもらうなりしてゆけば、十日や二十日は越されぬということもありますまい。気を落とすにはあたりません。ただ、ペンギン鳥にやる鰯だけはお困りでしょうが、いよいよそれが手に入らないときは、よくいいきかせて赤蛙でも喰べさせておいて下さい。これは大切な商売物ですから、そのつもりでよく面倒を見てやらないと、だんだん物覚えが悪くなるから気をつけて下さい。モントラシェに行ったらば、市場の元締めによく頼んで、市場の前の広場を借りるようにして下さい。夜なかに起きて歩き廻ると、キャベツの芯や馬鈴薯が沢山落ちていてとんだ儲けものをすることがあります。キャベツの芯は馬に喰わせ、馬鈴薯は煮るなり焼くなり、そちらでいいようにして下さい。なまけて探しに出ないと大損をします。それから田舎の人達は隙見ばかりしてなかなか入って来ないものだから、地杭は深く打って、テントの下に隙間のないように張って下さい。どうしても入って来ないようなら、力づくで引っ張り込まなければなりません。「呼び込み」