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Japanische Klassiker mit Furigana

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ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.137 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

コン吉は早や魂宙外、

「あの、ホイホイというのは何でしょう」と、震え声でたずねると、大公はしきりに扉の廻りを手探りしながら、

「あれはフィリップさんという梟の夫婦。いま鳴いてるのは夫人の方です」と、囁くように答えた。「令嬢、この扉のそばに『水仙荘』と彫りつけた標札があって、そのそばに呼び鈴があるはずですから、ちょっと探してみて下さい」

タヌは長い夜の探検に疲れたとみえ、草の上に踞み込んでいたが声に応じて門のそばまで進み寄って、マッチをすり、手探りをしいろいろ工風を凝しているふうだったが、間もなくすぐもどって来た。

「呼び鈴なんかなかったよ、それに、標札には『三匹の小猿荘』と彫ってあるんだけど……」

「ほほう、それは奇妙です……でも水仙と猿なら大した違いではありませんね……それにしても呼び鈴がないとは……」と、じれったそうに掌を擦り合わしていたが、突然飛びあがるようにして、

「ああ、そうだ呼び鈴ではない、鐘をたたくのでした。では鐘をたたいてわれわれの到着を知らせましょう」といってジャン、ジャンと二度ばかり軽く鐘をたたいてから、何物かを期待するように腕組みした。