Japanische Klassiker mit Furigana
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バルザックにたいするひょうか
バルザックに対する評価
宮本 百合子
Lesen Sie バルザックに対する評価 (バルザックにたいするひょうか) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.904 Zeichen · 62 Bildschirme
バルザックの心に植えつけたのも彼女の激励のたまものであった。ベルニィ夫人は、自分が両親を通して知り得た宮廷生活の内幕、とって置きの、歴史家には知られていない事件などを作品の材料として話し制作を刺戟したばかりではない。百姓バルザの精力と野心とに溢れた孫息子が、少年時代から憧れ通してしかも接近し得ないでいた貴族趣味、教養、貴族的気位、カトリック教の神秘の霧で、ベルニィ夫人は自身の逞しい素朴な愛人をくるみこんだのであった。
ベルニィ夫人の生活は、その時既に新興ブルジョアと成上り貴族によって経済的に圧迫された貴族、人知れずやりくりに心を労し「小作人、家政のうんざりする細々したこと」に自ら煩わされなければならない、落魄に瀕した旧貴族階級の典型のようなものであったらしい。それにもかかわらず、社交界の伝統的な重い扉は、まだ艷を失わぬベルニィ夫人の手によってバルザックの目の前に開かれた。
若い情熱的なオノレ・ド・バルザックは社会的には古く、而も彼の感覚には新しかった社会層との接触によって殆ど陶酔的に亢奮したらしく見える。二年前彼が二十の時、レディギェール通りの屋根裏部屋から愛する妹のロオルに切々と訴えた二つの希望「有名になって、愛されたい」