Japanische Klassiker mit Furigana
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フォスフォレッスセンス
フォスフォレッスセンス
Lesen Sie フォスフォレッスセンス von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.263 Zeichen · 9 Bildschirme
私は、答えなかった。
やはり、あの湖のほとりの草原に寝ころんでいたのであるが、私は寝ころびながら涙を流した。
すると、鳥が一羽飛んで来た。その鳥は、蝙蝠に似ていたが、片方の翼の長さだけでも三米ちかく、そうして、その翼をすこしも動かさず、グライダのように音も無く私たちの上、二米くらい上を、すれすれに飛んで行って、そのとき、鴉の鳴くような声でこう言った。
「ここでは泣いてもよろしいが、あの世界では、そんなことで泣くなよ。」
私は、それ以来、人間はこの現実の世界と、それから、もうひとつの睡眠の中の夢の世界と、二つの世界に於いて生活しているものであって、この二つの生活の体験の錯雑し、混迷しているところに、謂わば全人生とでもいったものがあるのではあるまいか、と考えるようになった。
「さようなら。」
と現実の世界で別れる。
夢でまた逢う。
「さっきは、叔父が来ていて、済みませんでした。」
「もう、叔父さん、帰ったの?」
「あたしを、芝居に連れて行くって、きかないのよ。羽左衛門と梅幸の襲名披露で、こんどの羽左衛門は、前の羽左衛門よりも、もっと男振りがよくって、すっきりして、可愛くって、そうして、声がよくって、芸もまるで前の羽左衛門とは較べものにならないくらいうまいんですって。