Japanische Klassiker mit Furigana
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フォスフォレッスセンス
フォスフォレッスセンス
Lesen Sie フォスフォレッスセンス von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.263 Zeichen · 9 Bildschirme
していたら、かねて、きょうが約束の締切日ということになっていた或る雑誌の原稿を取りに、若い編輯者がやって来た。
私にはまだ一枚も書けていない。許して下さい、来月号か、その次あたりに書かせて下さい、と願ったけれども、それは聞き容れられなかった。ぜひ今日中に五枚でも十枚でも書いてくれなければ困る、と言う。私も、いやそれは困る、と言う。
「いかがでしょう。これから、一緒にお酒を飲んで、あなたのおっしゃることを私が書きます。」
酒の誘惑には私は極度にもろかった。
二人で出て、かねて私の馴染のおでんやに行き、亭主に二階の静かな部屋を貸してもらうように頼んだが、あいにくその日は六月の一日で、その日から料理屋が全部、自粛休業とかをする事になっているのだそうで、どうもお座敷を貸すのはまずい、という亭主の返辞で、それならば、君のところに前から手持のお酒で売れ残ったものがないか、それをゆずって貰いたい、と私は言い、亭主から日本酒を一升売ってもらって、私たち二人は何のあてどもなく、一升瓶をさげて初夏の郊外を歩き廻った。
ふと、思いついて、あのひとのお宅のほうへ歩いて行った。