Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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フランセスのかお

フランセスの顔

有島 武郎

Lesen Sie フランセスの顔 (フランセスのかお) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.859 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

私たちは一つかみずつの青草をまんべんなく牛にやって、また歩きだした。カロラインは始終大きな声で歌い続けた。その声が軽い木魂となって山から林からかえってくる。

カロラインはまた電信をしようと言いだした。ファニーはいやだと言った。末子のカロラインはすぐ泣き声になってどうしてもするのだと言い張る。ファニーは姉らしく折れてやって三人は手をつないだ。私は真中にいてカロラインからファニーにファニーからカロラインに通信をうけつぐのだ。カロラインが堅く私の手を握ると私もファニーの手を堅く握らねばならぬ。去年までは私がファニーの手を堅くしめるとファニーも負けずにしめ返したのに、今年はどうしても堅く握り返すことをしない。そしてその手は気味の悪いほど冷たかった。ファニーから来る通信がいつでもなまぬるいので、カロラインは腹を立ててわやくを言いだした。ファニーは「それではやめる」と言ったきり私の手を放してしまった。カロラインがいかに怒ってみても頼んでみても、もうファニーは私と手をつなごうとはしなかった。

森にはいると森の香が来て私たちを包んだ。樫も、楡もいたやもすべての葉はライラックの葉ほどに軟らかくて浅い緑を湛えていた。