Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜのまたさぶろう
ポラーノの広場
Lesen Sie ポラーノの広場 (かぜのまたさぶろう) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.062 Zeichen · 135 Bildschirme
若い木霊はその幹にすきとおる大きな耳をあててみましたが中はしんと何の音も聞こえませんでした。
若い木霊はそこで一寸意地悪く笑って青ぞらの下の栗の木の梢を仰いで黄金色のやどり木に云いました。
「おい。この栗の木は貴様らのおかげでもう死んでしまったようだよ。」
やどり木はきれいにかがやいて笑って云いました。
「そんなこと云っておどそうたって駄目ですよ。睡ってるんですよ。僕下りて行ってあなたと一緒に歩きましょうか。」
「ふん。お前のような小さなやつがおれについて歩けると思うのかい。ふん。さよならっ。」
やどり木は黄金色のべそをかいて青いそらをまぶしそうに見ながら「さよなら。」と答えました。
若い木霊は思わず「アハアハハハ」とわらいました。その声はあおぞらの滑らかな石までひびいて行きましたが又それが波になって戻って来たとき木霊はドキッとしていきなり堅く胸を押えました。
そしてふらふら次の窪地にやって参りました。
その窪地はふくふくした苔に覆われ、所々やさしいかたくりの花が咲いていました。若い木だまにはそのうすむらさきの立派な花はふらふらうすぐろくひらめくだけではっきり見えませんでした。