Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

Lesen Sie ポラーノの広場 (かぜのまたさぶろう) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.062 Zeichen · 135 Bildschirme

Aozora Bunko

「いいかい。今度はおまえがこいつをのぼって行くんだよ。そら、登ってごらん。」

ネネムは仕方なくはしごにとりついて登って行きましたがはしごの段々がまるで針金のように細くて手や、足に喰い込んでちぎれてしまいそうでした。

「もっと登るんだよ。もっと。そら、もっと。」下では紳士が叫んでいます。ネネムはすっかり頂上まで登りました。栗の木の頂上というものはどうも実に寒いのでした。それに気がついて見ると自分の手からまるで蜘蛛の糸でこしらえたようなあやしい網がぐらぐらゆれながらずうっと青空の方へひろがっているのです。そのぐらぐらはだんだん烈しくなってネネムは危なく下に落ちそうにさえなりました。

「そら、網があったろう。そいつを空へ投げるんだよ。手がぐらぐら云うだろう。そいつはね、風の中のふかやさめがつきあたってるんだ。おや、お前はふるえてるね。意気地なしだなあ。投げるんだよ、投げるんだよ。そら、投げるんだよ。」

ネネムは何とも云えず厭な心持がしました。けれども仕方なく力一杯にそれをたぐり寄せてそれからあらんかぎり上の方に投げつけました。すると目がぐるぐるっとして、ご機嫌のいいおキレさままでがまるで黒い土の球のように見えそれからシュウとはしごのてっぺんから下へ落ちました。