Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ポラーノのひろば

ポラーノの広場

宮沢 賢治

Lesen Sie ポラーノの広場 (ポラーノのひろば) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.086 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

「おや、ぼくは地図をよくわからないなあ、どっちが西だろう。」

「上の方が北だよ。そう置いてごらん。」ファゼーロはおもての景色と合せて地図を床に置きました。

「そら、こっちが東でこっちが西さ。いまぼくらのいるのはここだよ。この円くなった競馬場のここのとこさ。」

「乾溜工場はどれだろう。」ミーロが云いました。

「乾溜工場って、この地図にはないね、こっちかしら。」

わたくしは別のをひろげました。

「ないなあ、いつごろからあるんだい。」

「去年からだよ。」

「それじゃないんだ。この地図はもっと前に測量したんだから。その工場はどんなとこにあるの。」

「ムラードの森のはずれだよ。」

「ああ、これかしら、何の木だい、楢か樺だらう。唐檜やサイプレスではないね。」

「楢と樺だよ。ああこれか。ぼくはねえ、どうも昨夜の音はここから聞えたと思うんだ。」

「行こう行こう、行って見よう。」ファゼーロはもう地図をもってはねあがりました。

「わたしも行っていいかい。」

「いいとも、ぼくそう云いたくていたんだ。」

「じゃわたしも行こう。ちょっと待って。」

わたくしは大急ぎで仕度をしました。どうせ月は出るけれども地図が見えないといけないと思って、ガラス函のちょうちんも持ちました。