Japanische Klassiker mit Furigana
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マクシム・ゴーリキイのでんき
マクシム・ゴーリキイの伝記
宮本 百合子
Lesen Sie マクシム・ゴーリキイの伝記 (マクシム・ゴーリキイのでんき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.543 Zeichen · 120 Bildschirme
洞の中には、燃える蝋の匂い、腐ったものの臭気、湿った地べたの匂いなどが一杯である。ぎごちない驚異の感情がゴーリキイをとらえた。然し、恐怖は起らない。サーシャが貪慾に訊いた。
「いいだろう?」
だが、一体これらは皆何のためなのだろう? ゴーリキイは率直にその疑問を呈出した。
「何にするんだい?」
「辻堂さ、似てるだろう?」そして「雀から聖骸がとれるかもしれないよ。罪科もないのに苦しみを受けた致命者なんだから……」
ゴーリキイは、いかにも彼の性質らしい現実的な問いを発した。
「あの雀は死んでいないのかい?」
「いや、物置に飛んで来たのを帽子でおさえてしめ殺したんだ」
「何だってさ!」
「何てことはないけど……」サーシャは、ゴーリキイの顔を覗き込んだ。
「いいだろう?」
「いいや!」
「どうして気に入らないんだ?」
「雀が可哀そうだもの」
この論判から掴み合いが持ち上った。ゴーリキイがサーシャの辻堂を破壊した。忽ち翌朝からサーシャの魔法――小僧ゴーリキイが朝磨かなければならない靴という靴の中の、ちょうど手を怪我せずにはいられないところにピンが植わっているという復讐がはじまった。