Japanische Klassiker mit Furigana
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マクシム・ゴーリキイのでんき
マクシム・ゴーリキイの伝記
宮本 百合子
Lesen Sie マクシム・ゴーリキイの伝記 (マクシム・ゴーリキイのでんき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.543 Zeichen · 120 Bildschirme
『毒虫・南京虫とその駆除法、附・此が携帯者の扱い方』などという本があった。始めの方がちぎれて無くなってしまっている本。終りがない本。そういう本がつまっている。
スムールイはゴーリキイに向って「口癖のように云いきかせた。」
「本を読みな。わからなかったら七度読みな。七度でわからなかったら十二遍読むんだ!」
そして、自分や、周囲のものが日から日へと過している無駄な生涯を顧みて、肥った獣のように呻き、深い物思いと当途のない憤りに沈んで荒っぽく怒鳴るのであった。
「そうだ! お前には智慧があるんだ。こんなところは出て暮せ!」
「豚の中にいては、お前の身が台無しだ。俺はお前が可哀そうでならねえ。奴等もみんな可哀想でならねえ」
このスムールイは、呆れる程ウォツカを飲むが酔っぱらったためしがなかった。水夫長も料理人も、船じゅうのものがこの男の怪力と一種変った気風に一目置いていた。夕方、スムールイが巨大な体をハッチに据えて、ゆるやかに流れ去って行くヴォルガの遠景を憂わしげに眺めながら、何時間も何時間も黙って坐っているような時があった。こういう時の、スムールイを皆が特別に怖れた。