Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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リラのてがみ

リラの手紙

豊田 三郎

Lesen Sie リラの手紙 (リラのてがみ) von 豊田 三郎 (とよださぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.702 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

字はどんなに汚なくったって僕には読める、第一女の書いたノートを持って学校に行けるもんかと、突っぱなすと、青江は机の前に無表情に坐ったまま、頬に落ちて来る涙を頑くなに拭きもしないでいた。そうして向き合っていると、くやしいためなのか、圧迫されるためなのか、自然に眼頭が熱くなって、今にも弱身をみせそうになるので、自分の方から部屋を出ていき、夜の街を、暗いところ暗いところと歩みまわった。すると次第に青江が気の毒になり、自分の心の狭さが後悔され、ああ、あのまま知らぬ顔をしておれば、青江も喜ぶのだし、自分も労力を大分省けたものを、もっとずるくなって悉皆青江に写さして了えばいいものをと考え、遠くの何一つ本当の生活を知らない頼子に徒らな興味や尊敬をもちながら、近くで実際的な親切を尽して呉れる青江には何故こんなに冷淡なのだろう、青江の官能的な圧迫を一々悪意にとって彼女を苦しめるには当らないじゃあないか、自分は間違っている、青江にあやまろうと思っている中にまた、いや、僅かでも彼女を許せば、ずるずるっと彼女のとりこになって了うぞと怖ろしく感じ、とりとめなく歩きまわっていた。