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Japanische Klassiker mit Furigana

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レモンのはなのさくおかへ

レモンの花の咲く丘へ

国枝 史郎

Lesen Sie レモンの花の咲く丘へ (レモンのはなのさくおかへ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.016 Zeichen · 142 Bildschirme

Aozora Bunko

領主 (深く頷き)その通りだ。

従者 どこが似ているのでござります。

領主 何から何まで。

従者 あの女子は、バイオリンを弾かぬではござりませぬか。

領主 手では弾かぬが心ではいつも弾いて歌っている。

従者 と申しますと?

領主 文字でも言葉でも絵でも表わせぬあるものをいつも思っていると云うことさ。

従者 それが音楽でござりますか。

領主 音楽だ、それが魔のような音楽だ、それが恐ろしい運命だ!

従者 恐ろしい運命! それではあの女子の身の上にも、魔法使いの銀の杖から湧いて出ると云う、悪い運命が、つきまとっているのでござりますか。

領主 (にわかに立ち上り)ああ、その悪い運命が、つきまとっていればこそ明日の競技が行われるのだ。

従者 と申しても私には解りませぬ。

領主 (寝台より離れて窓口に行き、対岸の頂上に立てる音楽堂を指す)お前にあれが見えるかの?

従者 (領主と並びて窓口に行き)はい、かすんだ眼にもよく見えまする。

領主 何と見えるかの?

従者 以前の奥様の記念として、お殿様が業々お立てなされた音楽堂でござります。

領主 そうだ、前の妻と二人で住んだ対岸の岩の上へ、果敢い恋の形見として立てたのが、あの音楽堂だ。