Japanische Klassiker mit Furigana
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レモンのはなのさくおかへ
レモンの花の咲く丘へ
国枝 史郎
Lesen Sie レモンの花の咲く丘へ (レモンのはなのさくおかへ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.016 Zeichen · 142 Bildschirme
女子 (驚き振り返る)まあ、若様でござりましたか(とやや当惑の様子。)はい、おっしゃる通り、貴郎に逢いに来たのではござりませぬが、(間)そのように御親切に云われて見ますれば、私もどうやら、貴郎のものになるのではあるまいかと思われます。
公子 そのような、程の宜いお言葉で、いつもいつもあしらわれますのは、吹くに委せて風に靡く柳の枝がその実、下の川水に姿をうつしているようなものでござります。私は風の役目と申すもの、川水は誰でござるやら、おうらやましいことでござります。
女子 そういうお言葉を聞く度に、私の心はかき乱されます。どうかもう、おっしゃらずにいて下さりませ。
公子 それは貴女の申すお言葉で、私の申し上げる言葉は別にござります。
女子 そのお言葉を、聞きたいことは山々でござりますが、聞いては却って後の嘆き、悲しい涙となりますれば、おっしゃらずにいて下さいまし。
公子 どうしたわけでござります。聞きたいことは山々なれど、聞いては後の嘆き、悲しい涙になるとは、どうしたわけでござります。(間)いやいや、またさように程の宜いことをおっしゃって、私の言葉をおはずしなさるのでござりましょう、私はよく存じておりまする。