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Japanische Klassiker mit Furigana

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おもいで

ロッパの悲食記

古川 緑波

Lesen Sie ロッパの悲食記 (おもいで) von 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.651 Zeichen · 114 Bildschirme

Aozora Bunko

「うちにゃア、辛くねえカレーライスなんてものは無えよ」

と速口だから、オチョボは、きき取れなかった。

「へ?」

ときき返す、その可愛い顔へ、ぶつけるように、オヤジ又言った。

「カレーライスってものは辛いもんだ。うちにゃあ、辛くねえカレーは無えんだよ」

まるで、叱られたみたいに、オチョボは、ちぢみ上ったように、

「へ、そうだっか」

と言うなり、逃げるように、出て行ってしまった。

僕はオヤジを憎んだ。あんな可憐な少女に対して、あんな乱暴な口をきくなんて!

そして又、僕は想像した。オチョボが帰って、報告すると、又、仲居か何かに、叱られるのではないか。

少女を可哀そうに思い、オヤジを憎んだ。

カレーライスは、うまかったが、僕はそれっきり、あの店へ行かなかった。

併しそれも、二十年の昔である。かの可憐なるオチョボも、今は、如何に暮しているであろうか。

色町洋食という言葉が、一番ピッタリ来るのは、無論東京ではない、大阪でもなく、それは京都であろう。

祇園の三養軒、木屋町の一養軒など(京都には、何養軒と名乗る洋食屋の如何に多き)の、第一、入ったところの眺めが、他の土地には見られない、建物なり装飾ではあるまいか。