Japanische Klassiker mit Furigana
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おもいで
ロッパの悲食記
古川 緑波
Lesen Sie ロッパの悲食記 (おもいで) von 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.651 Zeichen · 114 Bildschirme
昔のはなしが、ききたかったから。
ボーイが、「はい、大将いてはります」と言う。大将と呼ぶことの、又何と、今どきでないことよ。
大将に会って、きいてみたら、何と、此の店は、現在の大将の祖父の代から、やっているのだそうで、七八十年の歴史があると言うのだ。
「へえ、祖父の代には、パンが一銭、ビフテキが五銭でしてん」
そんなら僕が、幼少の頃に来た時は、二代目の時世だったのだろう。そんな昔からの、そのままの流儀で、押し通して来た、弘養館なのである。
味も、建物も、すべてが、昔風。こんなことで商売になるのかと心配したが、時分時でもない、午後三時頃に、僕の部屋以外にも、客の声がしていた。
七八十年の歴史。売り込んだものである。
さて、弘養館を出ると、又、僕は思い出すのである。
三の宮バーは、無くなったのかな?
此の近くにあった、小さな店。バーとは言っても、二階がレストオランになっていて、うまくて安い洋食を食わせた。
安洋食に違いないが、外人客が多いから、味はいいし、第一、全く安かった。スープが、二十銭だったと思う。ちゃんとした、うまいコンソメだった。神戸の夜を遊ぼうというには、先ず、此処を振り出しにした。