Japanische Klassiker mit Furigana
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ヴィヨンのつま
ヴィヨンの妻
Lesen Sie ヴィヨンの妻 (ヴィヨンのつま) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.363 Zeichen · 112 Bildschirme
あまりにも見え透いて、私はいよいよ興覚めるばかりであった。
しかし、彼だって、なかなか、単純な男ではない。敏感に、ふっと何か察するらしい。
「俺は、しかし何も、お前の兄貴の家来になりたがっている、というわけじゃないんだよ。そんなに、この俺を見下げ果ててもらっては困るよ。お前の家だって、先祖をただせば油売りだったんだ。知っているか。俺は、俺の家の婆から聞いた。油一合買ってくれた人には、飴玉一つ景品としてやったんだ。それが当った。また川向うの斎藤だって、いまこそあんな大地主で威張りかえっているけれども、三代前には、川に流れている柴を拾い、それを削って串を作り、川からとった雑魚をその串にさして焼いて、一文とか二文とかで売ってもうけたものなんだ。また、大池さんの家なんか、路傍に桶を並べて路行く人に小便をさせて、その小便が桶一ぱいになると、それを百姓たちに売ってもうけたのが、いまの財産のはじまりだ。金持ちなんて、もとをただせば、皆こんなものだ。俺の一族は、いいか、この地方では一ばん古い家柄という事になっているんだ。何でも、祖先は、京都の人で」と言いかけて、さすがに、てれくさそうに、ふふんと笑い、「婆の話だから、あてにはならんが、とにかくちゃんとした系図は在るのだ」