Japanische Klassiker mit Furigana
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ヴィヨンのつま
ヴィヨンの妻
Lesen Sie ヴィヨンの妻 (ヴィヨンのつま) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.363 Zeichen · 112 Bildschirme
するようになるだろうと思うと、彼のためにも私のためにもこんなつまらない事はない、一つだけでいい、何か楽しくなつかしい思い出になる言動を示してくれ、どうか、わかれ際に、かなしい声で津軽の民謡か何か歌って私を涙ぐませてくれという願望が、彼の歌をやらかそうという動議に依ってむらむらと胸中に湧き起って来たのである。
「それあ、いい。ぜひ一つ、たのむ」
それは、もはや、軽薄なる社交辞令ではなかった。私は、しんからそれ一つに期待をかけた。
しかし、その最後のものまで、むざんに裏切られた。
山川草木うたたあ荒涼
十里血なまあぐさあし新戦場
しかも、後半は忘れたという。
「さ、帰るぞ、俺は。お前のかかには逃げられたし、お前のお酌では酒がまずいし、そろそろ帰るぞ」
私は引きとめなかった。
彼は立ち上って、まじめくさり、
「クラス会は、それじゃ、仕方が無い、俺が奔走してやるからな、後はよろしくたのむよ。きっと、面白いクラス会になると思うんだ。きょうは、ごちそうになったな。ウイスキイは、もらって行く」
それは、覚悟していた。私は、四分の一くらいはいっている角瓶に、彼がまだ茶呑茶碗に飲み残して在るウイスキイを、注ぎ足してやっていると、