Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いちしょうにんとして
一商人として
相馬 愛蔵
Lesen Sie 一商人として (いちしょうにんとして) von 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.895 Zeichen · 222 Bildschirme
いくら元気でもだんだん疲れて来て、何本ときまっている杵の数も減り、搗く音も自然威勢よくひびかなくなる。私たちは直接働く人たちの眼には、戦場のような忙しい中をぶらぶらと見てまわり邪魔をするくらいにしか見えなかったかも知れないのですが、私たちはそうしていて決して遊んでいるのではなかった。職人たちが四斗樽に米を入れ、満々と水を張っておいて一眠りする、その間の見張り、米がふやけて樽から洩れそうになっていると見れば水を足し、火鉢の火が師走の夜風に煽られていれば黙って薬缶をかけておく。一通り見まわりが済んで室に戻れば、主人は明日の餅の枚数に間違いはないか調べる。それを終って帯を解かずに床に入り、どうにかうとうとする頃には、工場で起きて餅搗きがはじまる。どしんどしん震動が夜の空気をふるわして枕にひびく。それもしまいには慣れるけれど、杵の数をかぞえていると少し足りない。はね起きて工場に下り、今のは杵の数が幾本少なかったと注意し、搗き手はまた文句をいうと煩さく思ったことであろうし、今から思えばずいぶん無理なことであったと気の毒にも思うのですが、よい餅を搗いておとくいの信頼に報いたいと一念それに励まされて、餅搗き中はしみじみ寝た夜もないのでした。