Japanische Klassiker mit Furigana
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いっせきわ
一夕話
Lesen Sie 一夕話 (いっせきわ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.921 Zeichen · 12 Bildschirme
久しぶりに和田と顔を合せると、浅草へ行こうというじゃないか? 浅草はあんまりぞっとしないが、親愛なる旧友のいう事だから、僕も素直に賛成してさ。真っ昼間六区へ出かけたんだ。――」
「すると活動写真の中にでもい合せたのか?」
今度はわたしが先くぐりをした。
「活動写真ならばまだ好いが、メリイ・ゴオ・ラウンドと来ているんだ。おまけに二人とも木馬の上へ、ちゃんと跨っていたんだからな。今考えても莫迦莫迦しい次第さ。しかしそれも僕の発議じゃない。あんまり和田が乗りたがるから、おつき合いにちょいと乗って見たんだ。――だがあいつは楽じゃないぜ。野口のような胃弱は乗らないが好い。」
「子供じゃあるまいし。木馬になんぞ乗るやつがあるもんか?」
野口という大学教授は、青黒い松花を頬張ったなり、蔑むような笑い方をした。が、藤井は無頓着に、時々和田へ目をやっては、得々と話を続けて行った。
「和田の乗ったのは白い木馬、僕の乗ったのは赤い木馬なんだが、楽隊と一しょにまわり出された時には、どうなる事かと思ったね。尻は躍るし、目はまわるし、振り落されないだけが見っけものなんだ。が、その中でも目についたのは、欄干の外の見物の間に、芸者らしい女が交っている。