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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼくのぼうしのおはなし

一房の葡萄 他四篇

有島 武郎

Lesen Sie 一房の葡萄 他四篇 (ぼくのぼうしのおはなし) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.712 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

しまいにはその泣声が少し気になり出して、僕は八っちゃんと喧嘩しなければよかったなあと思い始めた。さっき八っちゃんがにこにこ笑いながら小さな手に碁石を一杯握って、僕が入用ないといったのも僕は思い出した。その小さな握拳が僕の眼の前でひょこりひょこりと動いた。

その中に婆やが畳の上に握っていた碁石をばらりと撒くと、泣きじゃくりをしていた八っちゃんは急に泣きやんで、婆やの膝からすべり下りてそれをおもちゃにし始めた。婆やはそれを見ると、

「そうそうそうやっておとなにお遊びなさいよ。婆やは八っちゃんのおちゃんちゃんを急いで縫い上ますからね」

といいながら、せっせと縫物をはじめた。

僕はその時、白い石で兎を、黒い石で亀を作ろうとした。亀の方は出来たけれども、兎の方はあんまり大きく作ったので、片方の耳の先きが足りなかった。もう十ほどあればうまく出来上るんだけれども、八っちゃんが持っていってしまったんだから仕方がない。

「八っちゃん十だけ白い石くれない?」

といおうとしてふっと八っちゃんの方に顔を向けたが、縁側の方を向て碁石をおもちゃにしている八っちゃんを見たら、口をきくのが変になった。