Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼくのぼうしのおはなし

一房の葡萄 他四篇

有島 武郎

Lesen Sie 一房の葡萄 他四篇 (ぼくのぼうしのおはなし) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.712 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

お医者の帰った時には、八っちゃんは泣きづかれにつかれてよく寝てしまった。

お母さんはそのそばにじっと坐っていた。八っちゃんは時々怖わい夢でも見ると見えて、急に泣き出したりした。

その晩は僕は婆やと寝た。そしてお母さんは八っちゃんのそばに寝なさった。婆やが時々起きて八っちゃんの方に行くので、折角眠りかけた僕は幾度も眼をさました。八っちゃんがどんなになったかと思うと、僕は本当に淋しく悲しかった。

時計が九つ打っても僕は寝られなかった。寝られないなあと思っている中に、ふっと気が附いたらもう朝になっていた。いつの間に寝てしまったんだろう。

「兄さん眼がさめて」

そういうやさしい声が僕の耳許でした。お母さんの声を聞くと僕の体はあたたかになる。僕は眼をぱっちり開いて嬉しくって、思わず臥がえりをうって声のする方に向いた。そこにお母さんがちゃんと着がえをして、頭を綺麗に結って、にこにことして僕を見詰めていらしった。

「およろこび、八っちゃんがね、すっかりよくなってよ。夜中にお通じがあったから碁石が出て来たのよ。……でも本当に怖いから、これから兄さんも碁石だけはおもちゃにしないで頂戴ね。